民族主義、宗教対立をのりこえ、人道主義の限界を突破し、反戦闘争を創造しよう!!

   国連安保理において、米英と中露の醜悪な政治的駆け引きでパレスチナハマスイスラエルシオニストネタニヤフ政権との戦争を「中断」、「停戦」を求める4本の決議案が成立しなかった。トルコ・エルドアン大統領は、国連安保理の「不公平な姿勢」と国際社会が「イスラエルの違法かつ自制を欠いた民間人への攻撃」を見て見ぬふりをしていた、と認識し、安保理は「国連機関を機能不全」に陥らせている、と見解を述べている。また、彼は、「ハマスはテロ組織ではなく解放集団で、土地と人々を守るために戦う『ムジャヒデン(聖戦戦士)』だ」とも発言している。また、ヨルダン・ラニア王妃は、イスラエルを支持する欧米を「明らかな二重基準」だと批判した。このようなアラブ・イスラム国家権力者の声に押されて、グレーテス国連事務総長は「ハマスによる攻撃が理由もなく起きたわけでではないと認識することも重要です。パレスチナの人々は56年間にわたり、息の詰まるような占領下におかれています。彼らは、自分たちの土地が入植によって食い荒らされるのを目のあたりにし、暴力に苦しめられてきました」、と発言した。

   さらに、国連総会・緊急特別会合では、ヨルダンが提出した「人道的休戦要請」が、採択に必要な投票全体(賛否のみ)の三分の二以上にあたる121カ国の賛成で採択された(反対はアメリカなど14カ国、棄権は日本を含む44カ国)。ようやく、アラブ諸国が作成し、40カ国以上が共同提案国となった「即時かつ持続的な人道的休戦」案が採決されたのだ。こうして、米欧帝国主義国のイスラエル支持とかれらの唱える「人道」なるものの欺瞞性が浮き彫りになった。

   明らかに世界は、イスラエルの全てのインフラを停止するなどの「非人道的な」策動、人道支援を認めないガザ=「concentoration camp(強制収容所)」への空爆と地上侵攻に対し、反対の声を挙げているのだ。

 これに乗じて、スンニ派シーア派の国際武装集団が、こぞって「ユダヤ人をねらえ」「イスラムの国を開放するのはジハードだ」、イスラム教徒は「団結を!」という声名を発し、イスラエルイラクの米軍基地などに軍事攻撃を仕掛けている。

 

 既に空爆をくりかえすばかりか、インフラを遮断し「concentoration camp(強制収容所)」と化しているガザ地区に対し、イスラエルシオニスト・ネタニヤフ政権は、今まさに地上侵攻を開始している。アメリカ・バイデンは、「我々はイスラエルとともにある」と、イスラエルと一体であることを宣言した。このバイデンのアメリカは、100億ドルの軍事支援を約束し、二つの空母打撃群を地中海へ派遣するなど、全面的にイスラエルを支えている。 そればかりではない、イラク、シリアのシーア派「拠点」の空爆を開始し、イランを恫喝している。他方、ハマスをイランとともに支えているロシアプーチンは、ワグネルを派遣するという非公式の情報も飛び交っている。ハマスの幹部とプーチンは会談を行っている。

 

 採決された、国連の「人道的休戦」を踏みにじって、アメリカと一体となったイスラエルのガザへの軍事侵攻、パレスチナ人へのホロコーストは、新たな世界的規模での戦争への拡大になるのは必至だ。

 

   世界中で宗派を超えてイスラム教徒が、イスラエルの「ジェノサイド」や「ホロコースト」を糾弾している。そして、アメリカの「平和を求めるユダヤの声」をはじめとする世界のユダヤ教徒たちが、ネタニヤフ政権のイデオロギーパレスチナ人は動物だ」というイスラエル至上主義を、「シオニズムによる軍事信仰」を批判し、パレスチナに「平等と正義、自由」を、と訴えている。アラブ民族主義イスラム教、ユダヤ教をこえて、人道主義者たちが、イスラエルパレスチナ人民への「ホロコースト」に反対している。

 

今こそ全世界の労働者・人民は国際的な反戦闘争に起ちあがろう!!

イスラエルによるパレスチナホロコーストを許すな!

ハマスは自暴自棄的な対イスラエル軍事攻撃を止めよ!

民族主義、宗教対立をのりこえ、人道主義の限界を突破し、反戦闘争を創造しよう!!

 

                       2023.10.19