「和平協議」に遁走の道を見出そうとした、敗軍の将=トランプ
トランプ大統領は4月1日(現地時間)、イラン侵略戦争に関する国民向け演説で「米国はイラン海軍や弾道ミサイル、ミサイル生産施設を破壊し、イランが決して核兵器を持てないようにした」「我々は米国のすべての軍事目標を非常に早急に達成できると見ている」とし、「今後2~3週間の間、イランに対する大規模攻撃を行う」と予告した。その後48時間の停戦を要請しながら、イスファハーン核施設の濃縮ウランを奪取して、勝利宣言を発し、イラン侵略戦争の幕引きを図ろうとした。しかし、F15戦闘機、2機のC130、2機のブラックホーク、4機のリトルバード、1機のA10ウォーソッグが撃墜され、その作戦は大失敗に終わった。
トランプは、中国・習近平の働きかけを渡りに船とばかりに、惨めにも2週間停戦し、11日パキスタン首都イスラマバードで米国とイランの代表団による「和平協議」を受け入れた。当然にも「平和協議」は決裂した。
実は、中国は、ロシアとともにバーレン主導の「軍事力を含む必要なあらゆる手段」を行使したホルムズ海峡解放のための決議案に「拒否権」を行使している。また、イスラエルのレバノンへの軍事攻撃にたいして、アメリカの「自制」を呼びかけた。だが、中国はこれまでの「懸念を持って見守る」という立場から、「レバノンが第二のガザになるのを許さない」と、直接的かつ攻撃的なメッセージを発している。そればかりか、南アフリカによる国際刑事裁判所の対イスラエルジェノサイド訴訟に参加した。さらには、イラン軍によるF15撃墜で露わになった、「新型」防空システムを供給しているのが中国であることは、公然の秘密となっている。
ロシアもまた、情報共有という形でイランを支援している。
空母リンカーン、レーガンなどの離脱をはじめ軍事的に手痛い打撃をこうむっている米軍は戦闘で消耗した兵器体系の点検と再備蓄計画の策定という課題に直面している。
イランは、巧妙かつ計画的に、湾岸諸国(ジプチは、イエメンフーシ派が)の米軍レーダーシステムを破壊してきた。この迎撃システム構築に必要なガリウムは中国がほぼ独占し、さらにほかの重希土類も90%以上中国がにぎっているという。
中核兵器の在庫が底を尽きかけている(防空用パトリオットミサイルが「弾切れ」)うえ、使用済みトマホーク535発を補填するだけでも5年かかる。そのうえに、今後さらにイランへの軍事行動を進めれば兵器の消耗が進み大変になる状況である。「次はキューバ」どころではなくなりつつあるのだ。にもかかわらず中国のレアアースに依拠しなければならないのだ。このままでは、ドンロー主義の破綻の道を転げ落ちるのは、火を見るより明らかだ。何よりも「だまされた」、「米海軍の5分の1近くの中東派遣戦力が、わずか数日で無効化された」(ヘグセス戦争長官)という悪夢を、トランプは突きつけられているのである。
このアメリカの最大の弱点を中国につかれ、トランプは中国の調停に賭けたのである。しかし、トランプはイランの強硬な姿勢と要求に対応できず、「ホルムズ海峡を封鎖する」と小児病的言辞を弄し、実際に封鎖した。当然原油価格は高騰しアメリカ国内のガソリン価格も上がり続けることになる。議会の承認なしで戦争できる期間60日のリミット(4月29日)がすぐそこにきてもいる。ロシア、中国はこのトランプの「海上封鎖」に対し、キューバのように自らの軍事力を持って「解放」する可能性が十分ありうる。
アメリカ国内での反トランプ旋風
3月28日、全米3300カ所以上で展開された「ノー・キング(No Kings、王様はいらない)」運動が、参加者数800万人超という米史上最大規模のデモが実現され、トランプ退陣の世論が大きく盛り上がっている。
ヘグセスは国防長官に就任して以来、海軍作戦部長や空軍副参謀総長を含む十数人の軍幹部を解任してきたのであるが、4月2日ランディ・ジョージ陸軍参謀総長の首を切った。そのランディ・ジョージは「将兵は品格があり勇気がある指導者を持つ資格がある」とへグセスやトランプを公然と批判した。
さらに、ローマ教皇レオが「神はどんな紛争も祝福しない」という発言した。このこと対し国防総省がピエール枢機卿を呼び出し、「アメリカ合衆国は世界で何でも好きなことができる軍隊を持っている。カトリック教会はこちらの側につくのが賢明だ」とアブィ二ョン捕因(14世紀フランス王政が軍事力で教皇をローマから排除し教会を意のままにしたこと)を例にとって恫喝した。ローマ教皇は、アメリカ建国250年式典のためのアメリカ訪問を中止した。
教皇レオは、「キリスト教東方の聖なる場所に、戦争の冒涜とビジネスの残虐さによって冒涜された、ばかばかしく非人間的な暴力が猛烈に広がり、人々の命など顧みず、せいぜい自己利益の付随的損害と見なされている」、「しかし、最も弱い者、子供たち、家族の命に値する利益などない。どんな大義も、無垢な血の流出を正当化できない。」とXに投稿した。
また、「我々は10億人以上いる・・・・・・ローマ・カトリック教会からその汚れた小さな手をどけろ。我々を脅すことなど夢にも思うな」さらに「戦争を推進するすべてのカトリック信者は破門されるべきだ」という発言がカソリック教会の人々から、相次いでいる。
このような、軍幹部の更迭とローマ教皇の戦争反対という訴えに対してのトランプ、へぐセスらの恫喝は、アメリカ軍の士気低下を招いている。
米国人を中心とする国際法の専門家100人以上が、米国、イスラエル、イランの各国が戦闘において国際法に重大に違反し、懸念される行為に及んでいるとして、「深い懸念」を表明する公開書簡に署名した。
わずか40日間で、アメリカ・イスラエルは、ハメネイ師をはじめイラン指導層58人以上、イラン軍人を6000人以上殺害したばかりか、以下のようなインフラなどの破壊しイラン人民、労働者を3500人以上殺害した。特にミナブ市の女子小学校生168人を含む175人を一挙に殺害したことは全く許しがたい。これらは、国際法云々の問題ではない。帝国主義侵略者の犯罪そのものである。
科学者の殺害
女性と子供の殺害
学校および教育施設への攻撃
住宅ビルへの攻撃
大学および科学機関への攻撃
救護用救急車への攻撃
赤新月社の拠点、支部、倉庫への攻撃
EMSステーションへの攻撃
エネルギーインフラへの攻撃
重要インフラへの攻撃(水道、電力など)
石油化学施設への攻撃
農業用サイロへの攻撃
スポーツ会場および施設への攻撃
港湾および船舶インフラへの攻撃
商業センターへの攻撃
IRIB技術施設への攻撃
メディア機関への攻撃
図書館への攻撃
娯楽施設への攻撃
病院および医療センターへの攻撃
赤新月社救援要員および医療従事者への攻撃
空港への攻撃
交通インフラへの攻撃(橋梁および鉄道線路)
貨物および旅客機への攻撃
文化遺産サイトへの攻撃
宗教施設への攻撃(ザンジャンのホセイニーヤ・アザム、ユダヤ教シナゴーグ、モスク)
なるほど、狂人トランプがいうように、爆撃=破壊するものなどもうないほどのイラン社会である。しかし、イランの労働者、人民は「難民」の道を選ばず、国内に留まり、帝国主義軍事大国アメリカ、ジェノサイド国家イスラエルに闘いを挑んでいるのである。
世界で孤立する帝国主義軍事大国アメリカ・イスラエル
1 アメリカ、欧州帝国主義軍事同盟の崩壊
スペインをはじめ、イタリヤ、フランス、ドイツ、オーストリアなど欧州帝国主義者は、トランプのアメリカ帝国主義者軍事大国から、一線を画している。自国領空を米国航空機が通過させない処置をとっている。永世中立国スイスもこれに加わった。
イタリア・メローニ:「イスラエルは赤線を超えた。パレスチナ人・民間人の虐殺を糾弾し、イタリヤがイスラエルに対する欧州の制裁を支持することを宣言する。
カナダ:イスラエルのレバノン侵攻を非難
スウェーデン、デンマーク:イスラエルとの外交関係をボイコット
2 BRICS
バングラディッシュ、マレーシアはイスラエルとの外交断絶、イスラエルパスポート保有者の入国禁止
モルディブはイスラエルパスポート保有者の入国禁止
ブラジル大統領ルラ・ダ・シルバ
「なぜレバノンで死ぬ貧しい無垢な人々の血に対する君たちの関心が、ホルムズ海峡の開通への関心と同じではないのか? それが君たちの計算なら、私はイランがそれを閉鎖することを支持する…君たちの呪わしいそのホルムズ海峡より、一人の人間の命が100倍尊いからだ!」
3 米国海軍に海上封鎖されているキューバへの援助
ロシアが護衛艦付きで石油タンカー2隻、天然ガスタンカー1隻をキューバ
に届ける。
中国がコメその他食料、ソーラーパネルを届ける。
メキシコは援助物資をキューバに届ける。「援助物資であろうが、商用であろうが、決めるのはアメリカではない。我々だ。」
トルコ企業が、浮体式発電所をキューバに届けた。
4 4月12日現在、157カ国がパレスチナ国家を正式に承認している
5 その他
キルギス、トルクメニスタン、イラクが援助物資をイランに送る。
イエメン・フーシ派がイスラエルに弾道ミサイルをぶち込み、紅海バブエル・マンデブ海峡の封鎖を警告した。さらにジプチの米軍レーダー基地を破壊した。
チェチェン特殊部隊アマトフの司令官は、アメリカが地上攻撃したら、すぐにイランに向かい「聖戦」を闘う、と公に宣言した。
パキスタンのパシュトーン部族長は、イラン領事館にて、「数百万のパシュ
トーン部族がジハードを起こす」と表明した。
イラクは、すでにイランとともに反米・反シオニストの戦いに決起。
北朝鮮のスカッドミサイルでレバノンヒズボラがイスラエルを爆撃。
(未確認であるが、ロシアが、核弾頭搭載の原潜2隻を含む原潜6隻をホルムズ海峡に送った、という。)
4月14日現在、イランと米国の「和平協議」は続いている。トランプは、4月23日の2週間の停戦期間に何とかして遁走したい、4月29日前に軍事侵略を終わらせたい、と必死になっている。その最後のあがきとして「海上封鎖」を行っているのだ。
このようなトランプの悪あがきを許すな!!
アメリカ・イスラエルのイランへの侵略攻撃弾劾!!
トランプのイラン皆殺し軍事攻撃を許すな!!
滅びつつある、イスラエルの悪あがきを許すな!!
イランの報復攻撃に反対しよう!!
イランの労働者・人民は宗教的呪縛から自らを解放し、反戦闘争に立ち上がろう!!
世界の労働者、市民は、今こそインターナショナルな反戦闘争を創り出そう!!
2026.04.14