2023-04-01から1ヶ月間の記事一覧

黒田寛一の哲学をわがものに その2の4

他方において、田辺元の批判を受けた西田もまた、「場所」における歴史行為について深めたのであろう。いわゆる「西田哲学における行為・制作の論」(黒田)に示されているように。 哲学することは、「ことばに担わされた概念」を用いて展開するほかはない。…

黒田寛一の哲学をわがものに その2の3

Ⅱ 「マルクス主義者といえども、西田・田辺哲学から何がしか学びとるゆえん」をわれわれはつかみとらなければならない。 田辺元の『歴史的現実』について 2000年発刊の『実践と場所』第一巻の執筆過程で黒田は、田辺元の『歴史的現実』を耳読した。 黒田は、…

黒田寛一の哲学をわがものに その2の2

「死んで生きる」とは、黒田においてあらためて如何なるものであるのか? 『戦後主体性論ノート』において黒田が、「「梅本理論」の問題——それは、一昨年の終わりから常に僕に迫り来った問題であり、梅本氏の問題を僕自身の問題として受けとめ、自己の無能を…

黒田寛一の哲学をわがものに その2の1

黒田寛一の哲学をわがものに その2 Ⅰ 黒田の哲学について 私の著した「黒田寛一の哲学をわがものに」(2020年11月18日)は、1991年ころ以降、再び黒田の哲学をわがものとするべく、異常な党派的緊張関係のなかで組織活動と長時間の疎外労働にほとんどの時間…