2022-11-06から1日間の記事一覧

斎藤のいわゆる「疎外」論——「マルクスへ帰れ!」4

4 マルクス主義の破壊を許すな マルクスは、この『経済学=哲学草稿』において、従来の「哲学」を止揚し「哲学ならぬ哲学」としての変革の哲学を、実践的唯物論を確立したのである。 マルクスは、「疎外された労働」や「ヘーゲル弁証法ならび哲学一般の批判…

斎藤のいわゆる「疎外」論——マルクス主義の破壊 3

3 マルクス主義の破壊 斎藤は『大洪水の前に―マルクスと惑星の物質代謝』において、マルクスをエコロジー主義者に仕立てあげようとしている。彼は、「マルクスの経済学批判の真の狙いは、エコロジーという視点を入れることなしには、正しく理解することがで…

斎藤のいわゆる「疎外」論 2  2021.05.30 藤川一久

2 エコロジストの無力性 『人新世の「資本論」』前書きより 斎藤は言う。「産業革命以降、人間は石炭や石油などの化石燃料を大量に使用し、膨大な二酸化炭素を排出するようになった。産業革命以前には280ppmであった大気中の二酸化炭素濃度が、ついに2…

斎藤のいわゆる「疎外」論 1  2021.05.30 藤川一久

1 脱炭素社会への狂騒 2020年9月22日、中国・習金平が国連総会で「2060年にCO2排出を実質ゼロ」にする脱炭素目標を表明した。 さらに、同年、アメリカ大統領選で地球温暖化阻止を公約にしていたバイデンが勝利した。早速バイデンは、大統領令を発…