気候変動について(3) 二酸化炭素気球温暖化は一つの仮説にすぎない

二酸化炭素気球温暖化は一つの仮説にすぎない。

 この仮説の、コンピューターシュミレーションによる「事実」化は同時に気候変動の自然説の抹殺であった。学問的には、人間の二酸化炭素の排出によらない、気候変動とそれを基礎付けしたミラン・サイコビッチ理論など太陽の役割の理論などの否定、抹殺であったのである。 認識論的には、二酸化炭素地球温暖化と言う、仮説を「答え」として「現実」やデータを拾い集めているという問題がある。逆に仮説に合わない気候学者の発見・研究成果、学説の無視 ・マイケル・マン(ペンシルべニア大名誉教授)による「ホッケースティック」のでっち上げる。このことは、2001年IPCC第三次報告で有名になった。平均気温が過去1000年間ほぼ一定、1900年ころから急上昇した、というグラフでホッケースティックを横にしたようなグラフのために「ホッケースティック」と呼ばれた。中世温暖期、その後のミニ氷河期がなかったということを「実証」しようとした。マンは「太陽活動が地球に与える影響はほとんどなく、地球温暖化は今後何十年間も続く」と確信している。

 現在、「気候変動のデータをトリックを使って捏造」している部分があったり、原データのごく一部を都合よく選んでホッケースティック上のグラフを作成したことが、明らかになっている。(カナダの統計学者スティーブ・マッキンタイアら、クライメート事件などで明らかになった)

・DC・キーリング(アメリカ海洋・気象学者)の報告の温度変化に従属して二酸化炭素が変化、ヒナツボ火山で人為的な二酸化炭素が「消えた」ことについて(槌田敦)  キーリングは近年の二酸化炭素濃度の増加を初めて明らかにした。しかし、二酸化炭素温室効果で温暖化しているという主張には慎重なな態度をとり続けている。キーリング曲線は長期(1960~2005年)では二酸化炭素は上昇が示されている。これを取り上げ、二酸化炭素が主因という根拠に利用された。一年単位では夏に多く冬に減少。そしてこの二つの変化をを除くと、平均気温の変動にやや遅れて、二酸化炭素の変動がある。都合悪いデータは無視されている。(20万年前からの相関関係でも気温の変化に遅れて二酸化炭素の変化が認められている。しかし、その遅れはいろいろ説があるが、最終的に800年∓200年だそうだ)

 槌田は、化石燃料から放出される二酸化炭素量の増加の変化(IPCC報告書 ホートン2001 P204)とキーリングの「大気中の二酸化炭素濃度の経年変化」とに関係がないことを指摘している。さらに槌田はエルニーニョによる海水温上昇と二酸化炭素の増加とに関連があること、同時に1963年インドネシア・アグン火山、1991年フィリピンヒナツボ火山の噴火による気温低下の影響で二酸化炭素濃度が低下していることをも指摘している。特にヒナツボ火山では、エアロゾルによって、太陽光の入射量が減り気温が上がらず、人間の経済活動で生ずる二酸化炭素分の濃度が増加しなかったことを指摘し、「人間が輩出したCO2はほとんどが行方不明」になている、皮肉をこめ批判している。

 二酸化炭素の増加は、気温、海水温の上昇が主たる要因であることを示している。そして、気温上昇、海水温上昇は、大気中のH2Oの上昇をも考慮しなければならなくなる。このような解明しなければならないことがあるのである。   

・雲の生成に関する科学的発見の無視

 過去的な学説の延長=エアロゾルについての無理解  

 スベンスマークの発見  

 エアロゾルが核となり、雲が発生することに宇宙線が関係することを解明。さらに、太陽エネルギー変化、流入宇宙線量の変化、雲の発生量に相関関係があることを発見した。  

 特に雲の発生が1%増えると気温が1度下がるという。(年間の二酸化炭素放出量である1ppmの変化で平均気温に0.004℃しか影響を与えない)雲の発生を定量化できない。 ・コンピューターシュミレーションのパラメーターに定量化できないものは無視、切り捨てて、仮想現実でしかないものに「事実」を僭称させている 。

 このことは、気候学者を問わず多くの科学者が指摘している。

 成層圏、対流圏のエアロゾル、雲の発生と量の変化、対流圏の熱エネルギーの移動、海洋の循環・表層水、深層水の循環と表層水と深層水の縦方向の循環、これらのことがらが、私の知りうる限りでパラメータ化できないでいる。

・「すでに濃度の高い二酸化炭素による地球放射の吸収はかなり飽和状態にあるため非効率である」(中島、田近共著『正しく理解する気候変動』)ということの持つ意味は? 二酸化炭素による温暖化は限界にある、ということではないか?

・最近、二酸化炭素の関係しない気候変動の事実を認めつつも「時間軸」という言葉を導入し、現代の50~100年は二酸化炭素地球温暖化の原因だと主張する学者の本を知った(『正しく理解する気候の科学』中島映至、田辺英一著)。しかし、中島、田辺らのそのような主張も仮説を事実としその例証をあげつらっているという本質に変わりはない。「過去に起こった数億年の現象が再び100年程度の時間スケールで起きるといった見解は、この問題(人為的温暖化ガスによる地球温暖化)の論点を大きく外したもの」と言い切っていいる。 おそらく、二酸化炭素などによる地球温暖化を正しく分からせるという問題意識から書かれたものであろう。

実にストレートに言い切る、二酸化炭素地球温暖化への批判に対する「見解」を参考に記す。

・「学者のできることは終わった。あとは政策者の仕事である」IPCC報告 ・「問題の焦点は科学の真贋論争ではない」毎日新聞科学環境部記者 2005年

・「科学的疑問などという決まり文句でごまかすべきでない」シュナイダー 1989年 「科学的証拠が出そってから行動したのでは遅すぎる」シュナイダー 1990年 ・「我々専門家は、懐疑論を正すとともに、温暖化についての正確な知識を説いて回る必要がある」江守正多(国立環境研所温暖化リスク研究室室長)

・「大事なのは、地球温暖化は本当なのか、という科学的「真理」の問題ではない。……これは生き方、態度の問題だ」橋爪大三郎社会学者;東工大名誉教授) 2007年

・「地球温暖化が科学的にいかがわしいものだろうと知ったことではない。(中略)気候変動は平等と公正をもたらす最大の機会なのだ」カナダ環境相クリスチン・スチュワート 1998年

2020.1.13