【64】白人至上主義に彩られた「アメリカ第一主義」

白人至上主義に彩られた「アメリカ第一主義

 

 トランプ政権は、3月21日に50万人を超える移民の在留資格を取り消し、アメリカ国外に追放する、と発表した。
 彼らは、キューバ人やハイチ人、ニカラグア人、ベネゼエラ人であり、バイデン前大統領の政策によりアメリカに入国した人々である。
 それに先立ち、17日トランプ政権は南アフリカ大使エブラヒム・ラスールを国外追放した。
 その理由がまた、ひどい!
 エブラヒム・ラスール大使は「トランプ氏が白人至上主義の動きを指揮している」、と発言したからである。
 日頃からトランプ政権は「南アフリカは白人に対し差別的な政策をとっている」、と南アフリカの「土地収用法」(1994年のアパルトヘイト撤廃から30年経った現在も続く、土地所有における人種間格差に対処することを目的としている法案を指している)に対して、根も葉もない非難を行っている。
 南アフリカは、いまだに「人種主義」が経済・社会・生活空間のいたるところに深く根差している。「人種主義」が国民の意識に深くしみ込んでいる、という。「反人種差別政策」を導入することが極めて大変で、慎重に一つひとつ吟味しながら、「人種主義」をなくそうとしているのである。
 しかし、白人至上主義で凝り固まっている意識の人間から見ると、それを否定し、人種差別を撤廃すること自体が「逆の人種差別」だと見えてしまっている、ということである。

 いずれにせよ、トランプ政権の「アメリカ第一主義」とは、「白人至上主義」の別名である、ということだ。